理事長挨拶
当研究所は、1933年の設立以来、「理論と実務の調和」を掲げ、「教育研修」「調査研究」「学術振興」等の事業を行い、2023年に創立90周年を迎えました。これらの活動を通じて、損害保険事業の健全な発達に貢献することを主要目的とし、社会経済の発展と国民生活の安定向上に寄与していくことを当研究所の使命としています。
損害保険は、14世紀後半におけるイタリアの「海上保険」を起源とし、その後の社会の発展や環境の変化等から生じる新たなリスクやニーズに対応して参りました。
この10年間でも、損害保険業界では、多発化・激甚化する自然災害への対応や、M&Aを通じたグローバリゼーションの進展などを背景に、ERMの高度化が求められることとなり、当研究所においても、研究会や各種講座の実施などを通じ、積極的に対応してきました。また、新型コロナウイルス感染症拡大防止対応によって働き方が大きく変わることとなり、各種講座や会議等は全てオンライン形式となりましたが、同感染症の鎮静化を踏まえ、段階的に対面(集合)形式を併用したハイブリッド化を進めてきました。
当研究所といたしましては、今後も環境変化に機敏に対応し、引き続き各事業活動の質を高めるとともに、実務を担う人材の育成に努め、損害保険の発展に貢献できるよう取り組んで参ります。
理事長 後藤 浩之
1933年に当時の東京海上火災保険株式会社会長各務鎌吉氏の発意により、同社創業50周年記念事業として同社から受けた100万円の寄附を基金として、「財団法人損害保険事業研究所」が設立されました。
第二次大戦中1945年5月の空襲により当研究所は事務所を全焼し、その活動を停止せざるを得なくなりましたが、1947年に社団法人日本損害保険協会の支援を受け、たて直しが図られました。
事業環境の変化に伴い、損害保険事業共通の問題の中・長期的調査研究の場として、当研究所を拡充強化することとなり、1990年に役員の増強、組織変更、事務所の整備を行い、名称も「財団法人損害保険事業総合研究所」に変更しました。
2011年4月には公益財団法人の認定を受け、「公益財団法人損害保険事業総合研究所」に移行。損害保険事業の健全な発達に貢献し、国民経済の発展と国民生活の安定向上に寄与することを目的として幅広い活動を行っています。
損害保険及び関連分野に関する学術振興、調査研究を推進するとともに、人材の育成並びに理論と実務の調和を通じて、損害保険事業の健全な発達に貢献し、もって国民経済の発展と国民生活の安定向上に寄与することを目的として次の事業を行ないます。
1933年11月
商工省より設立認可を受ける(主務官庁は1941年12月大蔵省に移管)
12月
財団法人損害保険事業研究所として設立登記(基金100万円。事務所を東京海上ビル内に置く)
1944年12月
「損害保険研究」(10巻4号)発行。以後休刊(1949年復刊)。
1947年8月
寄附行為を変更(理事定員の増員、損保会社全社の代表者を理事に選任)
9月
当研究所の経営が東京海上社から日本損害保険協会に移管される
1948年4月
事務所を中央区日本橋の大東京火災ビルヘ移転
1951年6月
事務所を千代田区神田淡路町の損保会館へ移転
1953年9月
東京損害保険請座(本科、研究科)を開設
1962年4月
Swiss Insurance Training Centre(SITC)ヘ研修生派遺開始
11月
著書論文表彰制度(各務賞)創設(1990年まで実施)
1964年4月
保険法研究会発足(後に、損害保険法制研究会と改称。1995年12月に解散)
7月
第2回太平洋保険学校(ISP)から事前研修業務を担当
1965年1月
日本保険学会事務局を生命保険協会から引き継ぐ
1969年4月
事務所を千代田区神田駿河台の旧東亜火災ビルへ移転
10月
損害保険研究振興資金(図書費援助)設置(1992年まで実施)
1980年4月
日本保険学会事務局を生命保険協会へ移管
1988年8月
事務所を千代田区外神田ロクゴウビルへ移転
1990年4月
寄附行為を変更(会長職設置、役員増員)。「財団法人損害保険事業総合研究所」に改称。海外研修部、研究部を設置。
1991年4月
研究部を拡充して研究第一部、同第二部とする(2000年3月まで2部体制)
5月
ISJ上級コースを新設(従来のコースを一般コースと呼称)
6月
ISJ海外セミナーを開設。これによりISJは一般コース、上級コース、海外セミナーの3コースとなる。
1996年4月
日本保険学会事務局を生命保険協会から引継ぐ(2003年3月まで担当)
1998年4月
ロクゴウビル及び東亜・三協ビルから損保会館へ事務室移転完了。図書館を除く全部門を1ケ所に集約。
1999年8月
寄附行為を変更(理事・評議員の定数、理事会・評議員会の権能の変更他)
10月
第3回Asia Insurance Industry Awardの保険研修機関部門で当研究所のISJ活動が受賞
2000年3月
福岡損害保険講座(本科)を閉講。研究部を1部体制に戻す。
6月
インターネット・ホームページ開設。インターネットによる図書検索システム稼動。
2001年7月
太平洋保険学校(ISP)が第39期生の派遣をもって終了
10月
豪州・ニュージーランドANZIIFの試験監督代行開始
2002年9月
「業務部」を実態に合わせて「教育研修部」に改称
2003年3月
通信教育用の映像による学習教材(CD-ROM)を開発
3月
創立70周年。8月から2004年2月にかけて記念事業を実施。
2004年6月
研究所附属図書館をトーア再保険本社ビル地階から損保会館2階へ移転
2006年3月
関西損害保険講座(本科通学)を閉講
9月
韓国保険研修院(Korea Insurance Institute)と協力覚書締結
5月
台湾保険事業発展中心(Taiwan Insurance Institute)と協力覚書締結
2010年4月
日本保険学会事務局を(財)生命保険文化センターから引き継ぐ(2017年3月まで担当)
2011年2月
財団法人 山縣記念財団より蔵書約340冊(海上保険、損害保険、海商法、P&I保険など保険関係中心)の寄贈を受ける
4月
公益財団法人の認定を受け、財団法人損害保険事業総合研究所から公益財団法人損害保険事業総合研究所に移行
2012年4月
東京損害保険講座(本科通学)の閉講
2013年2月
初のゼミナール方式「海外現法ガバナンス」講座実施
4月
アンダーライティング講座 WEB講座第一弾スタート
11月
機関誌「損害保険研究80周年記念号Ⅰ(75巻3号)」
2014年1月
損保総研英文名称変更(「The General Insurance Institute of Japan」)
2月
機関誌「損害保険研究80周年記念号Ⅱ(75巻4号)」
2015年2月
ISJテキスト「再保険」をインドネシア語に翻訳
(インドネシア・リスク保険研究所と翻訳合意)
11月
研究部報告会無料動画配信を実施
(「アジア諸国における損害保険市場・諸制度の概要について」)
2016年1月
初の本科特別成績優秀者表彰式を開催
2017年4月
日本保険学会事務局を(公財)生命保険文化センターへ移管
11月
LINE@を利用した損保講座の案内開始のお知らせ
2018年1月
機関誌「損害保険研究」査読制度導入
2019年4月
機関誌「損害保険研究」電子ジャーナル化
2020年7月
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、本科講座、ベーシック講座を集合形式からオンライン形式での開催(講座史上初の試み)
7月
海外セミナー(第27回)ベトナム(ハノイ)初のオンライン開催
12月
ISJ上級コース(第30回)前半(12月)、後半(翌年3月)に分け初のオンライン開催
2021年4月
損保研究科講座、特別講座とWeb配信講座の再編成を行う
11月
ISJ 50周年記念サイト(損保総研Webサイト内)開設、ロゴマーク作成
2023年3月
初の損保講座オンラインオープン説明会開催
2023年11月
機関誌「損害保険研究90周年記念号Ⅰ(85巻3号)」
2024年2月
機関誌「損害保険研究90周年記念号Ⅱ(85巻4号)」
2024年4月
日本保険学会事務局を(公財)生命保険文化センターから引き継ぐ(2030年3月まで担当)