わが国のペット保険の現状と将来展望

　近年、日本の15歳未満人口は約1,500万人である一方、犬猫の飼育総数は約1,600万頭と推計されており、ペット産業は2021年には約1兆7,000億円の市場規模へと伸長しています。
また、感染症の蔓延、自然災害・戦争・経済変動リスクの増加等もあり、孤独化が社会問題となる中、ペットはこの孤独感を癒す存在として重要視されており、家族の一員としての存在感を増しています。そのため、ペット保険市場が日本だけでなく世界でも注目を浴びており、競争が激化している状況です。
直近数年間、ペット保険市場への参入が相次ぎ、現在約20社が参入していますが、収益力向上や高頻度の保険金支払いへの対応などが課題となっています。2022年には、保険金支払管理態勢上の事由により行政処分の事例も見られました。

【講義項目】

１．ペット保険を取り巻く状況
２．健全運営に向けた各種施策の状況
　(1) 日本における特殊構造要因
　(2) ペット保険自体の特殊性
３．ペット保険市場の将来展望
　(1) ペット業界が果たし得る社会的役割
　(2) 入って健康になる保険
４．まとめ
５．質疑応答