損害保険研究 第76巻第2号
損害保険事業総合研究所
2014年8月発刊
<研究論文>
クレジット・デリバティブ取引に対する保険 契約法・保険監督法の適用可能性の検討
島根大学法文学部准教授 嘉村 雄司
目次
1 はじめに
2 クレジット・デリバティブ取引の仕組みの概要
3 保険とクレジット・デリバティブ取引の法的区別をめぐる学説の展開
4 アメリカ法における「損害てん補基準」の展開と再構築
5 「損害てん補基準」および「保険技術基準」の限界の検討
6 保険契約法・保険監督法を適用する必要性の存否をめぐる学説の検討と残された課題
7 むすび
Warrantyの法理実務的視点を交えた考察-英国保険法改定動向を踏まえて-
東京海上日動火災保険株式会社 新谷 哲之介
目次
1.本稿の目的と背景
2.Warrantyの原理の多様性
3.Law Commission 意見書について
4.Law Commission意見書についての考察
5.わが国におけるWarranty法理の整合について
6.最後に
<研究ノート>
企業年金制度運営におけるリスク低減志向の高まり-米国の事例を踏まえて-
日生協企業年金基金 江淵 剛
目次
1.はじめに
2.企業年金制度運営におけるリスク低減志向
3.米国に見る企業年金制度運営におけるデ・リスキング
4.企業年金制度運営におけるリスクシェアの態様
5.おわりに
<講演録>
消費者裁判手続特例法により保険会社が 直面する法的諸問題
東京大学名誉教授,中央大学法科大学院教授 落合誠一
内容
1.はじめに
2.この法律による訴訟制度の基本的な仕組み
3.本訴訟制度の当事者等
4.本訴訟制度の対象請求権
5.共通義務確認訴訟における和解(10条,cf37条(簡易確定手続の和解))
6.特定適格消費者団体による仮差押え(56条)
7.事業者の情報提供義務等(27条,28条,29条)
8.むすび
保険募集・販売ルールの変革と募集実務への影響-金融審議会「保険WG 報告書」をどう受け止めるべきか-
丸紅セーフネット株式会社常勤監査役, 日本損害保険協会シニアフェロー,日本損害保険代理業協会アドバイザー 栗山泰史
内容
1.報告書に至る経緯
1-1.歴史的変遷
1-2.近年の金融審議会での検討内容
1-3.保険に関する金融行政としての問題意識
1-4.金融審議会への諮問事項と保険WG の検討課題
2.金融審報告書の骨組み
3.新たな保険募集・販売ルール
3-1.保険募集に係わる規制の再編成について
3-2.保険募集の基本的ルール
4.まとめ
<翻訳>
ニューヨーク州損害保険法(2013年段階)⑴
梅津昭彦:新潟大学大学院実務法学研究科教授、小島修矢:千葉商科大学非常勤講師、 竹井直樹:一般社団法人日本損害保険協会、 深澤泰弘:岩手大学人文社会科学部准教授
目次
第16 節(第1601条~第1612条) 州内損害保険会社および他の企業体の子会社
第23 節(第2301条~第2352条) 損害保険料率
第34 節(第3401条~第3454条) 保険契約― 損害保険(以上,本号に掲載)
第41 節(第4101条~第4121条) 損害保険会社(以下,次号以降に掲載)
第51 節(第5101条~第5109条) 総合自動車保険補償
第52 節(第5201条~第5225条) 自動車事故補償法人
第53 節(第5301条~第5304条) 自動車保険引受強制割当制度
第54 節(第5401条~第5414条) ニューヨーク州財産保険引受協会
第55 節(第5501条~第5517-a条)医療過誤保険協会
第56 節(第5601条~第5605条) 医療仲裁
第59 節(第5901条~第5913条) 危険自己保有団体および購入団体
第61 節(第6101条~第6116条) レシプロカル保険者およびロイズアンダーライター
第62 節(第6201条~第6203条) ニューヨーク州保険取引所
第63 節(第6301条~第6304条) 特殊リスク;届出の免除
第64 節(第6401条~第6411条) 権原保険法人
第65 節(第6501条~第6508条) モーゲージ保証保険会社
第66 節(第6601条~第6630条) 協同損害保険会社
第67 節(第6701条~第6708条) 非営利損害保険会社
第68 節(第6801条~第6805条) 保釈保証証書
第69 節(第6901条~第6909条) 金融保証保険法人
第76 節(第7601条~第7614条) 損害保険保証基金
第79 節(第7901条~第7903条) サービス契約
<判例研究会>
運行供用者責任と責任能力
北海道大学大学院法学研究科教授 山 本 哲 生
浴槽内での溺死における傷害保険契約等の保険金等請求に対して,いわゆる疾病免責条項の適用を認め請求を棄却した事例
岩手大学人文社会科学部准教授 深 澤 泰 弘
<損保総研事業活動の報告>
損保総研レポート第107号(2014年4月) 「米国における自動車安全技術の発展とその影響について」
損保総研主席研究員 渡部 美奈子
目次
1.はじめに
2.安全技術の内容
3.安全技術の効果と損害保険への影響
4.米国の自動化車両に関する規制の動向
5.自動化車両等の事故削減効果と今後の課題
6.おわりに
損保総研レポート第107号(2014年4月) 「米国テロリスク保険の概要-テロリスクの特性と課題を中心に-」
損保総研主席研究員 中江 俊
目次
1.はじめに
2.テロリスク保険法の概要
3.テロリスクの特性
4.テロ行為のリスク分析モデル
5.米国以外の国におけるテロリスク対応
6.おわりに
2014年度「損害保険研究費助成制度」 応募受付のご案内
目次
●目的
損害保険および関連分野に関する研究を支援するとともに,損害保険事
業の健全な発展に資することを目的として,この分野の研究に従事する
若手研究者に対し,研究に必要な費用を助成します。
詳しくはこちらをご覧ください→ 2014年度「損害保険研究助成制度」応募受付のご案内
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