諸外国における損害保険協会等の業界団体システムの状況
(公財)損害保険事業総合研究所
研究部
2014年3月発刊
公益財団法人 損害保険事業総合研究所(理事長 遠藤 寛)では、このたび、イギリス、ドイツ、米国、カナダ、韓国、スウェーデン、ブラジルおよびフランスの8カ国における損害保険業界で利用されている共同システム(注)の状況等について取りまとめた調査報告書「諸外国における損害保険協会等の業界団体システムの状況」を発刊しました。
(注)本調査では、共同システムとは、複数の保険会社によって共同利用されるシステムを意味し、保険詐欺防止データベース、保険料率の算出を支援するためのデータベース、保険会社間または保険会社とその他関係者との間のデータ交換に関するハブ・システム(データの振分伝送システム)などを指し、業界団体によって行われる業務のほか、民間会社によって提供されるこれらのサービスを含めています。
わが国では、政府が2013年6月に「世界最先端IT国家創造宣言」をまとめるなど、行政府等の保有する各種公的データの2次的利用を含めた活用を促すオープン・データやビッグ・データの活用等が推進されつつあります。また、いわゆるマイナンバー制度の関連法が2013年5月に成立し2016年の施行が予定され、これに伴って、本人確認の手段としての民間でのマイナンバーの利用に関する議論も高まっています。さらには、情報通信技術(以下「ICT」)の進歩により、さまざまな商取引やデータ交換・分析業務が瞬時に自動的に行えるような状況に変化しつつあります。
こうした背景から、損害保険業界において、最先端のICTを活用したデータ共有化に加え、行政府や自動車修理業者・医療機関など外部からさまざまなデータを収集し、これらの情報を分析・活用することにより、業界全体として、顧客サービスの向上、適正な保険引受・保険金支払および業務効率の向上などを実現し、安心・安全な社会づくりと経済発展に寄与していくことは重要な課題と考えられます。
本調査は、このような問題認識から、今後のわが国損害保険業界の共同システムのあり方の検討に資することを目的として、諸外国における共同システムの利用状況、業務の概要・目的、システムの内容・機能・利用状況等を調査しました。また、共同システムにおけるデータ活用を促進する環境要素として、損害保険業務における行政府等の公的データの活用、国民ID番号の活用およびデータ交換におけるデータ標準規格の利用等の状況も併せて調査しました。
目次
はじめに
調査結果の概要(主要項目別の各国比較一覧)
第Ⅰ章 調査概要
1. 調査の趣旨、2. 調査対象、3. 調査結果の概要
【章末参考】わが国における共同システムの状況
第Ⅱ章 イギリス※
第Ⅲ章 ドイツ※
第Ⅳ章 米国※
第Ⅴ章 カナダ※
第Ⅵ章 韓国※
※第Ⅱ章〜第Ⅵ章共通項目
1. 損害保険市場の概要、2. 共同システム(保険システム)を取り巻く環境、3. 共同システムの状況、4. まとめ
第Ⅶ章 その他の国
1. スウェーデン、2. ブラジル、【章末参考】フランス
参考文献
サイズ:A4
ページ数:299