損害保険研究 第87巻第1号

＜研究論文＞

請求権代位における差額説と保険法の解釈

東京大学名誉教授　山下友信氏

目次

Ⅰ　はじめに

Ⅱ　差額説の展開

Ⅲ　差額説に関する比較法的知見

Ⅳ　保険法25 条1 項の解釈

Ⅴ　おわりに

  

＜研究論文＞

（特集）保険法研究への誘い―保険法研究方法論の現在地の言語化の試み（第5回）

保険法判例研究の現在と未来

関西大学法学部教授　原弘明氏

目次

Ⅰ　はじめに

Ⅱ　判例研究のスタイル

Ⅲ　保険法判例研究の現在

Ⅳ　保険法判例研究の未来

Ⅴ　おわりに

  

＜研究論文＞

リスクに対するイメージがリスク選好に与える影響の考察

― パラメータに依存しない選好測定法を用いたアプローチ ―

明治大学商学部教授　藤井陽一朗氏

目次

1 ．はじめに

2 ．確率の認知にゆがみがあるときの選好表現

3 ．パラメータに依存しない選好測定法

4 ．実験デザイン

5 ．実験結果

6 ．結論と今後の課題

  

＜研究論文＞　

近年の地政学リスクが海上保険ビジネスに及ぼす影響について

東京海上日動火災保険株式会社フェロー（法規・約款）・早稲田大学客員教授　久保治郎氏

目次

Ⅰ．はじめに

Ⅱ．わが国海上保険市場における戦争保険・ストライキ保険

1 ．船舶保険

2 ．貨物保険

3 ．戦争保険･ストライキ保険の担保危険･免責事由

4 ．具体的な事象の検討

5 ．小括－戦争保険・ストライキ保険の特質と適用上の問題

Ⅲ．地政学リスクと海上保険ビジネス

1 ．戦争リスクと海上保険ビジネス

2 ．経済制裁リスクと海上保険ビジネス

3 ．小括－地政学リスク対応に関する今後の課題

Ⅳ．結びに代えて

 

 ＜研究論文＞

アメリカ海上保険法の転換点

― 2024年判決Great Lakes Insurance SE v. Raiders Retreat Realty Co.,LLC の影響 ―

東京海上日動火災保険株式会社　新谷哲之介氏

目次

1 ．はじめに

2 ．アメリカ海上保険法に関する日本の実益

3 ．アメリカ海上保険法が当面していた問題

4 ．Great Lakes Insurance 判決の概要

5 ．小考

6 ．終わりに

  

＜研究ノート＞

公務員個人の職務上の賠償リスクと公務員賠償責任保険に関する研究

東京都立大学大学院経営学研究科博士研究員　長澤昇平氏

目次

Ⅰ　はじめに

Ⅱ　公務員を取り巻く賠償リスク

Ⅲ　公務員賠償責任保険の補償範囲

Ⅳ　賠償事件の調査及び分析

Ⅴ　考察

Ⅵ　おわりに

  

＜研究ノート＞

交通事故後の中心性頚髄損傷に関する裁判例分析

一般社団法人JA共済総合研究所主任研究員　長野博文氏

目次

Ⅰ．緒言

Ⅱ．方法

Ⅲ．結果

Ⅳ．考察

Ⅴ．実務調査のポイント

 

 <損害保険判例研究>

「損害保険判例研究会」判例報告

 

健康診断におけるバリウム検査後の腸穿孔と医療処置免責の可否

大阪高裁令和5年12月14日判決

令和5年（ネ）第1631号債務不存在確認・保険金等反訴請求控訴事件，判例集未登載

法政大学法学部教授 潘阿憲氏

 

人傷一括払の合意のもとに人傷社が支払った金銭の性質と人傷社が受領した自賠責損害賠償額を被害者の損害額から控除することの可否

最高裁令和5年10月16日判決

令和4年（受）648号損害賠償請求事件，　最高裁判所裁判集民事270号173頁

あみた綜合法律事務所弁護士　高野真人氏