保険リンク証券は、伝統的な保険取引や再保険取引以外の方法で保険リスクを主に資本市場へリスク移転するための取引の総称で、1990年代半ばから取引が見られるようになりました。緩やかな成長を遂げた市場の黎明期を経て、金融危機以降には伝統的な金融資産と低相関の投資機会を求める投資家の需要に後押しされ、市場は急拡大を遂げています。
しかし、2017年以降に頻発した自然災害により、保険リンク証券市場全体で見れば投資対象としてのパフォーマンスは低迷しています。また、投資対象となる保険リンク証券の種類や運用方針によっても運用成績に違いが見られるようになっています。
そのような中で、2022年には地政学的リスクの高まりや金融政策の転換などにより市場環境は大きく変化しています。短期的には、市場環境は不透明な状況ですが、保険リンク証券への投資を社会的責任投資と位置付けることで、新たに投資家が参入する動きもみられるようになっています。
一方、中期的なトレンドとしては気候変動リスクの高まりから自然災害を対象とするリスク移転への需要は今後も拡大することが見込まれており、その中で保険リンク証券市場が果たすことのできる役割にも注目が集まっています。
本講座では、これまでに多くの保険リンク証券の組成に携わってこられ業界をリードされてこられた、キーストーン・アイエルエス・キャピタル株式会社代表取締役の山本伸二様をお招きし、保険リンク証券市場の現状と課題について解説いただきます。
【講義項目】1.保険リンク証券市場の市場構造と商品の仕組み
(1) 保険リンク証券市場の誕生から黎明期、急拡大期にかけての流れ
(2) 保険市場の市場構造と保険リンク証券市場の位置づけ
(3) 保険リンク証券の種類と基本的な仕組み
2
.足元の市場環境と課題
(1) 頻発する自然災害の保険リンク証券市場への影響
(2) 足元の市場環境と今後の見通し
3
.気候変動リスクと期待される役割
(1) 社会的責任投資としての保険リンク証券
(2) 保険リンク証券に求められる役割
4
.質疑応答
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