＜基礎コース＞Enterprise Risk Management の基礎知識 2016

　保険会社はそのビジネスの性質上、常にリスクと向き合ってきましたが、そのリスク管理は決して容易ではありません。最大のリスクとも言うべき巨大自然災害リスクは、本年の熊本地震で示されたように、原因となる自然現象が完全には解明出来ていないのが現実です。また、資本・金融市場は、マイナス金利、投機的マネーの動き、実体経済の不安定などにより、依然として不安定な状況です。さらに、近年の海外事業拡大により、保険会社の抱えるリスクはますます多様かつ複雑になっています。

　このような状況下、保険会社を監督する金融庁は、リスクと経営戦略を統合的に管理する統合的リスク管理態勢の整備・高度化を促しており、各社の取組状況を確認すべく、昨年度からは「リスクとソルベンシーの自己評価に関する報告書（ＯＲＳＡレポート）」の提出を全社に求めています。

　したがって、ＥＲＭは保険会社にとって極めて重要かつ必要なものと言えます。しかし、近年、理論的整備もなされてきたとはいえ、実務において唯一の正解があるわけでもなく、各社・各人がＥＲＭの最適解を求めるべく、模索し追及しているのが現状です。

　本講座では、ＥＲＭについて考え、実務で使うためにおさえておくべき基礎を分かりやすく解説します。事前知識は前提としませんので、所属部門を問わず、ＥＲＭを基礎から学びたい方を中心に、基礎知識の整理をしたい方等も含め、多くの皆様のご参加をお待ちしております。