<2015年7月>損保総研レポート第112号

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<2015年7月>損保総研レポート第112号
(税込・送料無料)

(公財)損害保険事業総合研究所
研究部
2015年7月発刊
¥1,030

公益財団法人 損害保険事業総合研究所(理事長 遠藤 寛)では、研究員による調査研究の発表の場として機関誌「損保総研レポート」を定期刊行しています。

今号(第112号)では、次のとおり研究員2名のレポートを掲載するとともに、他に海外の金融・保険市場の動向等を紹介しています。

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米国損害保険業界における資産運用の状況 -ERM経営とROE向上を考えるヒントを求めて-

グループリーダー主席研究員 牛窪 賢一

近年、ERM(統合的リスク管理)に対する関心が高まっています。ERMの目的は、企業の資本、リスクおよびリターン(収益)を全社的視点で適切にコントロールすることを通じて、企業価値の継続的な拡大につなげることにあります。

わが国では、機関投資家の行動原則である日本版スチュワードシップ・コードが2014年2月に金融庁から公表され、また東京証券取引所が企業の統治指針として策定したコーポレートガバナンス・コードが2015年6月から適用されています。これらは、企業と機関投資家との対話を通じて中長期的な企業価値の向上を求める動きの表れであり、そのような動きの中で、資本の収益性を表すROE(自己資本利益率)が注目を集めています。

損害保険会社は、資本を利用し、主に保険引受と資産運用においてリスクをとり、収益をあげています。したがって、損害保険会社のERM経営やROE向上について考えるためには、保険引受だけでなく、資産運用についても理解する必要があります。このため、本稿では、損害保険会社が企業価値を高めたり、一定の収益性を実現したりするために、資産運用がどのような役割を果たしているか、またどのような資産構成で運用が行われているかなどにつき取り上げました。

本稿では、世界最大の損害保険市場を形成する米国損害保険業界の資産運用につき紹介しますが、レベル感の違いを把握できるよう、適宜わが国損害保険業界のデータと比較して提示します。また、業界全体の合計値や平均値だけでなく、米国の株式会社形態の代表的な損害保険会社であるオールステート、トラベラーズ、AIG、プログレッシブなどの例も取り上げて説明します。

1.はじめに

2.ERM経営、企業価値およびROEの基本的な考え方

3.損害保険業界のROEと収益の源泉(日米比較)

4.損害保険業界の資産運用(日米比較)

5.米国損害保険業界における資産運用の変化

6.おわりに

アジア新興国 中国とベトナムの保険業を取り巻く競争法の執行状況

主席研究員 佐藤 智行

本邦企業は、今後の人口減少問題等に対応すべく、経済発展の目覚ましいアジア新興国への進出を加速させています。経済発展に伴う市場経済化により、これらの国々では、経済取引ルールの基本となる競争法が順次整備されてきています。このような状況のもと、保険業も当然にその競争法の対象となり、競争法の整備されたアジア新興国のうち、中国およびベトナムの保険業において、実際に競争法が執行(摘発)の対象となった事件も発生しています。

保険業、特に損害保険業はその事業特性に由来して共同行為が取られることがあり、わが国では合法的な共同行為が法令により明示されているのに対して、中国およびベトナムではその共同行為の合法・違法の線引きは必ずしも明確ではないのが実態です。

中国およびベトナムの保険市場に進出する際には、執行当局の恣意的運用や国際的な執行強化の環境のもとで摘発されるかもしれないという競争法リスクに巻き込まれないためにも、相手国の競争法制、保険法制および過去の保険業に対する競争法執行事例をよく確認しておく必要があるものと考えます。

このため、本稿では、中国およびベトナムの保険業で発生した競争法執行事例の内容を紹介し、わが国法制との比較も交えて分析します。

1.はじめに

2.アジア新興国の競争法・保険業法整備状況

3.中国

4.ベトナム

5.おわりに

追加情報

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発刊日 2015/07/31
編著者 (税込・送料無料)

(公財)損害保険事業総合研究所
研究部
サイズ A4
ページ数 75