損保総研レポート第93号

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損保総研レポート第93号
(税込・送料無料)

(財)損害保険事業総合研究所
研究部
2010年10月発刊
¥1,030

損保総研研究部では、研究員による調査研究の発表の場として機関誌『損保総研レポート』を作成しています。本誌では、損害保険業に関連するさまざまな問題や将来的な課題等について研究員が独自の視点でレポートを行っています。

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米国連邦洪水保険制度(NFIP)の現状

主席研究員 松岡 順

米国は、ハリケーン、地震、竜巻、山火事、干ばつなど、数々の自然災害の脅威にさらされているが、中でも洪水は、同国における自然災害による損害の80%以上を引き起こしていると言われており、最も一般的で最も大きな経済的損失をもたらす自然災害とされている。

米国で唯一の、連邦直営の自然災害保険事業である連邦洪水保険制度(通称:「NFIP」)は、単なる公営の保険制度ではなく、洪水による災害予防や洪水発生後の地域住民等に対する災害援助が関連づけられた総合的な洪水制度となっている。1968年の創設以来約40年間に渡り、概ね独立採算を維持してきたが、2005年に発生したカトリーナ等の一連のハリケーンによって未曾有の損害を被ると同時に、制度自体の様々な問題点が浮き彫りになった。こうした中、同制度の根拠法が2008年9月末に期限を迎えたが、連邦議会は抜本的な制度改革を実現できないまま、以後約2年の間に10回の短期間の延長と、その間に3度の制度の中断を繰り返し、米国の経済や国民の生活にも少なからず影響を及ぼしている。

現在の米国は、長引く経済的不況や医療保険制度改革等の問題がクローズアップされがちであるが、本稿では、これらとは別の大きな問題をかかえる米国連邦洪水保険制度の概要と、その主な問題点を解説する。

1.はじめに

2.制度の概要

3.連邦政府による災害援助制度

4.NFIPの沿革

5.NFIPの問題点

6.おわりに

グローバル金融危機後の米国損害保険業界―金融規制改革法、ソルベンシー規制を含む概観―

主席研究員 牛窪 賢一

グローバル金融危機の経験を踏まえて、金融規制・監督を見直す動きが世界的に進行している。米国では、2010年7月、金融危機を踏まえて、システミック・リスクへの対処などを狙いとした金融規制改革法が成立した。金融規制改革法では、大規模で影響力の大きい「システム上重要な金融機関」を中心に、これまでよりも厳格な健全性規制が課される方向性が示されたと同時に、保険業については、財務省内に連邦保険局を設置することなどが盛り込まれた。一方、全米各州における保険規制の調整などを行う組織である全米保険庁長官会議(National Association of Insurance Commissioners:「NAIC」)においても、金融危機を踏まえて、保険業に関するソルベンシー規制見直しの検討が進められている。

本稿では、まず金融危機による米国損害保険業界への影響につき、資本水準とROEなど資本効率の問題を中心に概観する。次に、今回の金融危機で大きな損害を受け、また金融危機を拡大する一因にもなった金融保証保険会社、および公的資金による救済を受けた巨大保険グループAIGの問題について、金融規制改革法の内容との関連を念頭に置いて概説する。その上で、金融規制改革法の主要ポイントとNAICにおけるソルベンシー規制見直しの動きについて紹介する。

1.はじめに

2.金融危機による米国損害保険業界への影響

3.金融保証保険会社とAIGの問題

4.金融規制改革法の主要ポイントと保険業に関する部分

5.保険業に関するソルベンシー規制見直しの動き

6.おわりに

追加情報

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発刊日 2010/10/31
編著者 (税込・送料無料)

(財)損害保険事業総合研究所
研究部
サイズ A4判
ページ数 84