<2018年7月>損保総研レポート第124号

もっと見る

<2018年7月>損保総研レポート第124号
(税込・送料無料)

(公財)損害保険事業総合研究所
研究部
2018年7月発刊
¥1,030


公益財団法人 損害保険事業総合研究所(理事長 佐野 清明)では、研究員による調査研究の発表の場として機関誌「損保総研レポート」を定期刊行しています。



今号(第124号)では、次のレポートを掲載するとともに、他に海外の金融・保険市場の動向等を紹介しています。

または
概要

詳細

インシュアテックの進展-P2P保険の事例を中心に-

グループリーダー 主席研究員 牛窪 賢一

近年、保険分野において革新的技術を用いた業務、サービスの創造や見直しを意味するインシュアテックへの関心が高まっています。中でも、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)等を利用して契約者同士でグループを作るP2P(Peer to Peer / ピア・トゥ・ピア)保険が、従来型の保険ビジネスモデルに変化を及ぼす可能性がある動きとして注目されています。

今世紀末の世界の平均気温は、追加の対策が取られない場合、産業革命前との比較で4.8℃上昇し、それに起因した自然災害の大規模化や感染症の拡大などによる被害は、人類が許容できる範囲を超えるとみられています。

これまでのところ、P2P保険のスタートアップ企業は、総じて事業の拡大または収益性の確保に苦労しており、既存の大手保険会社の脅威となるほどの事業規模に至っていません。しかしながら、デジタル・プラットフォーム、AI(人工知能)等の革新的技術の導入により、コスト削減や顧客体験の向上に努めるだけでなく、約款を極めて単純化した新商品を開発するなど、従来の保険市場にはなかった取組が積極的に進められています。さらに、将来的にはブロックチェーン技術等との組み合わせによって市場が急拡大する可能性も秘めています。

本稿では、欧米主要国でP2P保険を取扱う注目度の高いスタートアップ企業の事例を取り上げ、その仕組や直近2年程度の新たな取組を中心に紹介します。

1.はじめに

2.P2P保険を巡る動向

3.P2P保険の事例

4.P2P保険の発展可能性

5.おわりに

コンソーシアム型ブロックチェーン技術の保険業務への活用と 競争法上の留意事項

主席研究員 佐藤 智行

注目度の高まるフィンテックのうち、同一の情報を分散して管理、共有する仕組であるブロックチェーン技術は、関係者間の効率的な情報共有に優れ、偽造・改竄防止に有効で、ビジネスプロセスの簡素化、迅速化、自動化にも資するとされています。このような特性を踏まえ、保険業務においては、例えば、保険金詐欺防止や取引時顧客本人確認のための業界横断での情報共有などへの活用(コンソーシアム型ブロックチェーン技術の活用)が期待されています。

OECD(経済協力開発機構)は、2018年4月に公表した報告書の中で、コンソーシアム型ブロックチェーン技術の利用における競争法(独占禁止法)上の留意点として、本来なら競合他社同士で競争事項となるはずの情報交換による不当な取引制限、コンソーシアムへの参加にかかわる市場支配的地位の濫用(私的独占)、などに留意する必要があることを指摘しています。

本稿は、今後わが国損害保険業界においても各種の共同利用制度にブロックチェーン技術の活用の可能性を見出せる中、コンソーシアム型ブロックチェーン技術の導入やコンソーシアムへの参加にあたり、情報交換による不当な取引制限や参加にかかわる市場支配的地位の濫用など、競争法関連のリスクも考慮して対応していく必要があることを説明しています。

1.はじめに

2.ブロックチェーンの技術と利用事例

3.ブロックチェーンに関する競争法視点からの検討

4.コンソーシアム型ブロックチェーンの保険業務での活用事例

5.おわりに

追加情報

追加情報

発刊日 2018/07/31
編著者 (税込・送料無料)

(公財)損害保険事業総合研究所
研究部
サイズ A4
ページ数 67