<2016年1月>損保総研レポート第114号

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<2016年1月>損保総研レポート第114号
(公財)損害保険事業総合研究所
2016年1月発刊
¥1,030

公益財団法人 損害保険事業総合研究所(理事長 遠藤 寛)では、研究員による調査研究の発表の場として機関誌「損保総研レポート」を定期刊行しています。

今号(第114号)では、次のとおり研究員2名のレポートを掲載するとともに、他に海外の金融・保険市場の動向等を紹介しています。

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概要

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気候変動リスクに対する米国の損害保険業界の対応について

主席研究員 渡部 美奈子

近年、世界各地において、気候変動に伴う大規模な自然災害が頻発しています。過去数十年間でも、洪水や暴風などによる経済損失額は増加傾向にあり、今後も、自然災害の発生件数が増加すると予測されています。本稿では、米国における気候変動による保険業界への影響と保険会社の対応状況を、以下の2点を中心に説明しています。

まず、米国では、一部の州において気候変動に関する情報開示の取組が行われていることです。気候変動は支払保険金の増加をもたらしているため、監督当局は保険会社の気候変動に対する対応方針やリスク管理態勢などについて調査を実施しています。この調査において進んだ取組を行っていると考えられる保険会社は、会社の方針やリスク管理態勢、モデルの利用などについて定め、アニュアルレポート等で公表しています。また、自然災害リスク量についても、例えばハリケーンリスク、地震リスクなど種類ごとに再現期間100年、250年などの条件とあわせて開示しています。

2点目は、監督当局が資本規制の見直しに継続的に取り組んでいることです。わが国では、既にソルベンシーマージンの計算式に自然災害リスク量が含まれています。しかし、米国ではリスクベース資本規制に自然災害リスクを明確に含めていないため、これを含めるための対応が検討されています。

《目次》

1.はじめに

2.気候変動による影響

3.気候変動に関する保険会社の対応調査

4.保険会社の具体的な事例

5.資本規制の見直し

6.おわりに

わが国農業保険の今後と諸外国の農業保険におけるICTの活用事例

主席研究員 田中 栄嗣

わが国農業は、大きな変革期を迎えています。第2次安倍内閣が発表した「成長戦略」では、農業は変革の必要がある分野とされ、農業施策が実施されてきた結果、60年ぶりの農協改革、農業の大規模化、農産物の輸出増等、わが国農業に様々な変化が起きています。

一方で、2015年10月に環太平洋パートナーシップ(TPP)協定が大筋合意を迎え、わが国の農業保険にも変化が起きると予想されます。現在、わが国の農業保険としては、収量の減少を補償する収量保険である農業災害補償制度(NOSAI)がありますが、今後は、収入の減少を補償する収入保険が導入されようとしています。

本稿では、農水省が収入保険のモデルに想定していると思われる米国の収入保険を紹介します。わが国において収入保険を導入する際は、米国を参考にしながらも、わが国の農家がどういうニーズを持っているかを踏まえた制度とする必要があります。

また、諸外国の農業保険におけるICTの活用事例も紹介します。ビッグデータの活用、マイクロ・インシュアランスの引受・支払の仕組み作りや農業用ドローン等新技術の活用は、農業保険に限らず、広く保険分野に応用できるという点において、本レポートは参考になりうると思われます。

《目次》

1.はじめに

2.わが国農業の沿革と今後

3.農業保険の現況

4.収入保険

5.諸外国の農業保険におけるICTの活用事例

6.おわりに

追加情報

追加情報

発刊日 2016/01/31
編著者 (公財)損害保険事業総合研究所
サイズ A4判
ページ数 51