<2015年5月>損保総研レポート第111号

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<2015年5月>損保総研レポート第111号
(公財)損害保険事業総合研究所
研究部
2015年5月発刊
¥1,030

公益財団法人 損害保険事業総合研究所(理事長 遠藤 寛)では、研究員による調査研究の発表の場として機関誌「損保総研レポート」を定期刊行しています。

今号(第111号)では、次のとおり研究員2名のレポートを掲載するとともに、他に海外の金融・保険市場の動向等を紹介しています。

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オーストラリア公営保険事業の民営化の動き

主席研究員 内藤 正人

オーストラリアでは、19世紀末から20世紀初頭の経済不況を経て各州で社会保障制度の整備が進められ、その一環として、国民を対象にした強制加入の労災保険や対人自動車賠償責任保険を中心とした公共保険サービスの提供が開始されました。しかし、1990年代には規制緩和や自由競争原理に基づく経済政策により、電気、ガス、水道などの公共事業とともに、公営保険事業の民営化も進められることとなりました。

特に、強制保険の労災保険および対人自動車賠償責任保険については、現在までに半数の州において民営化されています。また、最近の動きとして、2015年1月にノーザンテリトリーの公営損害保険事業が民間保険会社(Allianz社)に売却され、さらには南オーストラリア州当局が、強制保険の対人自動車賠償責任保険の公営独占事業を2016年に民営化するために入札を行う考えを公表するなど、同国における民営化の動きは今後も留まるところはないように見受けられます。

本稿では、オーストラリアの国や損害保険市場の概要を紹介したあと、各州政府による公営保険事業の概要と民営化の経緯、強制保険である労災保険および対人自動車賠償責任保険の民営化の動き、ならびに主要大手保険会社による州政府損害保険事業の買収事例などを説明しています。

オーストラリアの民営化の事例を、法律や事情が異なるわが国にそのまま当てはめることは不可能ですが、同国における過去の民営化の背景や狙い、今後の動向等を理解することは、公営保険事業の民営化のあり方等を考察するうえで有益であると考えています。

1.はじめに

2.オーストラリアと損害保険市場の概要

3.オーストラリアの公営保険事業の概要

4.労災保険および対人自動車賠償責任保険の内容と民営化の状況

5.民営化の目的と民営化の類型(パターン)等についての考察

6.主要大手保険会社による公営保険事業への関わり方

7.おわりに

米国のテレマティクス自動車保険

主任研究員 古橋 喜三郎

米国におけるテレマティクス自動車保険市場は、現時点では自動車保険市場全体の1割にも満たない市場ですが、2020年には25%から30%のウェートを占めるとの予想があります。イギリスのテレマティクス自動車保険が若年層を主なターゲットとしているのに対し、米国では走行距離の短い人や安全運転を心がける人を主なターゲット層としています。また、米国の消費者の多くが同保険の付加価値サービスである「自動車盗難追跡サービス」や「緊急時の支援サービス」等についてはお金を支払ってでも受けたいと回答しており、販売拡大の背景にはこのようなニーズもあると考えられます。

米国のテレマティクス自動車保険は、保険料の割引率の計算にかかる計測期間が75日と短い保険会社もあれば、半年以上の長い計測期間で計算する保険会社もあるなど保険会社によって運用方法等は異なっています。また、ほぼすべての保険会社が保険契約者の運転行動データを直接収集するのではなく、外部専門機関を経由して、データの収集等を行っていることも特徴です。

本稿では、米国のテレマティクス自動車保険の概要について説明したあと、同保険の販売状況や加入等に対する消費者の意識調査、および規制・監督上の課題等について説明しています。今後、わが国の個人自動車保険市場において、テレマティクス自動車保険がどの程度の広がりをみせていくのか現時点では不明ですが、世界一の自動車大国である米国の動向は、わが国における同保険の健全な発展に向けた検討をしていくうえで参考になるものと考えます。

1.はじめに

2.米国のテレマティクス自動車保険の概要

3.米国におけるテレマティクス自動車保険の販売状況等

4.テレマティクス自動車保険の加入等に対する意識調査

5.今後の見通し・課題

6.おわりに

追加情報

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発刊日 2015/05/31
編著者 (公財)損害保険事業総合研究所
研究部
サイズ A4
ページ数 51