損保総研レポート第92号

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損保総研レポート第92号
(財)損害保険事業総合研究所
研究部
2010年6月発刊
¥1,030

損保総研研究部では、研究員による調査研究の発表の場として機関誌『損保総研レポート』を作成しています。本誌では、損害保険業に関連するさまざまな問題や将来的な課題等について研究員が独自の視点でレポートを行っています。

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民事訴訟費用ルールと訴訟費用保険-イギリスの訴訟費用改革案を踏まえて-

研究部 主席研究員 秋葉 勝敏

イギリスでは、国民の司法へのアクセスを容易にするために民事訴訟費用ルールを初めとした各種の改革が行われてきています。しかし、2000年に行われた民事訴訟費用ルールに関する改革の結果、特に、「条件付成功報酬制度における成功報酬の敗訴者への転嫁ルール」と「事後加入訴訟費用保険の保険料の敗訴者への転嫁ルール」が、民事訴訟費用を高騰化させ、被告に過大な費用負担を負わせるという問題を引き起こしています。このような状況を受けて、ジャクソン控訴院判事(load justice)が、2009年に約1年間をかけて、関連諸団体の意見聴取も行った上で、民事訴訟費用ルール等の見直しを行い、2009年12月に改革案を公表しています。提案された内容は、109項目に及び、その中には、民事訴訟費用ルールの変更だけでなく、裁判官による強固な訴訟管理、人身傷害の損害を算定する計算ソフトの作成などの実務に関する具体的な提案までも含み、訴訟費用の適正化に向けた幅広い包括的な内容になっています。

本稿では、イギリスにおける民事訴訟費用の現状について触れつつ、ジャクソン改革案の中で提案された内容の中から、保険業界・民事訴訟費用ルールに直接関係があると思われる項目を中心に説明し、わが国における民事訴訟費用ルール・訴訟費用保険の展開に参考とすべき内容を取りまとめています。

1.はじめに

2.イギリスにおける民事訴訟費用ルールの現状と問題点

3.イギリスにおける民事訴訟費用ルールの改革

4.訴訟費用保険について

5.わが国における訴訟費用ルール(含む弁護士報酬)の現状と今後の課題

6.おわりに

極値事象のリスク管理-カタストロフィ(CAT)と極値理論(EVT)など-

研究部 主席研究員 吉澤 容一

先進的なソルベンシー規制の導入などの流れの中で、保険会社のリスク管理の重要性が従来にも増して認識されています。本稿では、保険会社のリスク管理のうち、損害保険事業において影響が特に大きい巨大災害などの極値事象に関して、この定量的リスク管理を中心に紹介します。

始めに、代表的な極値事象であるカタストロフィ(CATastrophe)の影響と欧州で導入予定のソルベンシーⅡにおける取扱いを紹介します。次に、リスクを計量する尺度であるバリュー・アット・リスク(VaR)等のリスク測度等を紹介し、この課題等を提起します。そして、極値事象の分析・管理等のための数理理論である極値理論(Extreme Value Theory)の概念について、グラフを多用してわかり易く説明します。最後に、極値事象の一つである金融危機におけるリスク管理の問題に触れたうえで、極値事象のリスク管理のあり方をまとめています。

1.はじめに

2.カタストロフィ(CAT)リスクと規制

3.リスク評価方法の課題

4.極値理論(EVT)

5.極値事象のリスク管理のあり方

6.おわりに

追加情報

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発刊日 2010/06/30
編著者 (財)損害保険事業総合研究所
研究部
サイズ A4判
ページ数 105