損保総研レポート第91号(2010年3月)
損保総研研究部では、研究員による調査研究の発表の場として機関誌『損保総研レポート』を作成しています。本誌では、損害保険業に関連するさまざまな問題や将来的な課題等について研究員が独自の視点でレポートを行っています。
世界的な金融危機に伴って、経営危機に陥った金融機関に対する公的資金注入などの救済策が実施された後、各種の金融規制改革案が各国政府や国際金融規制監督機関によって策定され、その具体化が推進されています。わが国でも証券会社の連結規制・監督制度および保険会社の連結財務規制が導入されることになっています。
本稿では、金融危機後のG20を中心とする世界的な金融規制・監督制度改革の動向を概観し、主要国における金融・保険グループ規制の現状を紹介します。その上で、2009年11月に採択されたEUのソルベンシーⅡ枠組指令における保険グループ監督制度や米国における金融・保険グループ規制・監督の見直しの動向を説明します。また、併せて、わが国の金融・保険グループ規制の現状と課題について触れています。
1.はじめに
2.金融危機後の状況
3.金融・保険グループ規制の問題点と現状
4.金融・保険グループ規制の見直しの動向
5.わが国における金融・保険グループ規制の現状と課題について
6.おわりに
近年、わが国では医療事故に対する損害賠償請求訴訟は珍しくありません。一方で海外には、医療提供者に過失がない場合も含めて医療事故の損害を一定の範囲内で社会保障等により補償し、訴訟によらない解決を図っている国もあります。
本稿では、こうした海外の補償制度の概要を紹介し、わが国から見た問題点を整理し、わが国における医療事故補償制度の導入について考察を行っています。医療事故の無過失補償制度として産科医療補償制度が発足しており、今後、医療事故補償制度の検討が進むことも考えられます。そうした補償制度において損害保険を利用することも選択肢の一つと考えます。
1.はじめに
2.わが国における動向
3.海外における医療事故補償制度
4.わが国から見た各国制度の問題点および教訓
5.わが国の産科医療補償制度
6.新たな制度設計に向けて
7.おわりに