損保総研レポート第89号(2009年9月)
損保総研研究部では、研究員による調査研究の発表の場として機関誌『損保総研レポート』を作成しています。本誌では、損害保険業に関連するさまざまな問題や将来的な課題等について研究員が独自の視点でレポートを行っています。
消費者基本法の制定、これに基づく消費者基本計画の策定等により、消費者の権利は拡充されてきています。また、本年においては、消費者庁の設置、金融商品取引法・保険業法を初めとする法律改正による金融ADRの導入の動きなど、消費者問題は重要課題として社会の関心はさらに高まっています。
一方で、消費者の権利を「絵に描いた餅」とせずに、実質的に保護し実現する制度が重要であることから、司法制度改革推進計画に基づき司法面での整備も着々と推進されてきています。
本稿では、司法制度改革推進計画等に規定された検討項目の中から、消費者保護の実効性を担保する制度等に関し、損害保険業界に関連があると思われる項目を中心に、4点を取り上げ、損害保険業界への影響・なすべき対応等にも触れながら、考察しています。
1. はじめに
2. 利用者の費用負担軽減としての「弁護士報酬の敗訴者負担」について
3. 総合法律支援法に基づく支援センターについて
4. 訴訟費用保険について
5. 消費者団体訴訟制度:適格消費者団体による差し止め請求
6. おわりに
全米最大の損害保険会社であるステート・ファームの地域子会社ステート・ファーム・フロリダ社が本年1月フロリダ州財産保険市場からの撤退を表明しました。この背景には、地元フロリダ州に来襲するハリケーンの損害に対して保険金支払が嵩み、保険事業の経営が非常に難しくなってきていることが挙げられます。
本リポートでは、フロリダ州の置かれている損害保険市場の環境から、今般のステート・ファーム・フロリダ社が撤退を表明するに至った状況を概観するとともに、料率引上げの届出や撤退を巡る監督当局とのやり取りまでを含めて可能な範囲でレポートしています。
1. はじめに
2. フロリダ州の損害保険市場環境
3. ステート・ファーム・フロリダ社の撤退問題
4. おわりに